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あたまにつまった石ころが
2016/04/30(Sat)
 子どもの頃に夢中になっていたことを、大人になっても大事にしていられたら素敵です。
 おじいちゃんになっても好きなことを学び続けて、ついに夢を叶えた本当のお話。


(あらすじ)
 わたしの父は、子どものころ、石を集めていました。周りの人たちに「あいつは、ポケットにもあたまのなかにも石ころがつまってるのさ」と言われながらも、石に関係のある仕事につくことを夢見ていました。その後、大人になってはじめたのはガソリン・スタンドでしたが、世界恐慌の影響で店じまいを余儀なくされました。
 それでも父は、景気がよい時も悪い時も、少しずつ石ころを集め続けました。一生懸命働きながら、こつこつと石ころの勉強を続けました。父が壁に作った棚には、手書きのラベルをつけた石が並べられていました。そんな父に、ある日の午後、幸運な出会いが訪れたのです…。

 この本は、作者のキャロル・オーティス・ハーストが、自身の父のことを書いたノンフィクション絵本。2001年度ボストングローブ・ホーンブック賞ノンフィクション部門オナー賞受賞作品。

 この本が実話であることが、このお話に重みを与えています。
 子どもの頃に夢中になっていたことを、大人になっても大切にしていられたら素敵です。たとえそれが仕事に結びつかなかったとしても…。作者の父は、社会的地位やお金には無欲で、誰に何と言われようと、大好きな石について学ぶことに貪欲に生きました。
 
 お話のラストで、彼はスプリングフィールドの科学博物館に行き、熱心に石を眺めていたとき、館長さんに話しかけられます。館長さんは彼の石の詳しさに驚きます。やがて館長さんの紹介で、博物館の夜の管理人になり、働きながら大学で石の勉強を続けて、博物館の鉱物学部長になり、そしてなんと、その館長さんが退職したあとに館長に就任したのです。

 彼は幸運だったのかもしれません。でも、その幸運を引き寄せたのは、彼が何歳になっても夢をあきらめずに学び続けたからです。その姿をずっと見ながら育った作者の、父に対する気持ちも伝わってきて、感動します。
 自分の将来のことに目を向け始めた子どもや、何かに夢中になっている子(それが大人から見たら意味がないようなことだとしても!)を勇気づけてくれるでしょう。
 
 作者はあとがきで、「父ほど幸福な人生を送った人を、わたしは他に知りません。」と書いていますが、作者自身も「頭の中に本がいっぱい」で、学校図書館の司書になったそうです。




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